ベラボンで植物を育てる
「ベラボン」とはヤシの実を細かく裁断加工したもので、繊維質で通気性が良く、また水分の保持力も高いのが特徴です。

土を使わないので衛生的で虫の発生も抑えられることから、キッチンなどのインテリアにも広く使われるようになりました。
ヤシチップは植物の発根もバツグン!通気性が良いので根腐れで枯らすリスクを抑えます。

●ヤシチップへの植え替え方法
- 苗を用意します。
- まず根を出来るだけほぐして不要な「土」を落とします。(この時無理にすると根を痛めてしまいます)
- ヤシチップを敷き詰めた鉢へ苗をそっと入れます。
- 隙間にヤシチップを詰めていきます。
- ヤシチップは隙間が出来やすいので強めに押し付けてください。
- お水をしっかり吸水させて完成です!
はじめにヤシチップを濡らしておいても良いですが、植え込みしにくいので乾いた状態で植え付けします。
お水はすぐに下へ浸透して穴から出て行ってしまいます。ゆっくり廻し掛けながら確実に浸透させましょう。
大きいサイズの植物を植えると転倒の恐れがあります
ヤシチップは軽量で保持力が弱いので直径20cm以下の鉢への使用をおすすめしています。
ベラボン(ヤシの繊維を加工した培地)で観葉植物を育てる場合の年間の管理法と肥料の与え方について、以下に詳細をまとめます。ベラボンは通気性・保水性に優れ、軽量で清潔な培地ですが、ハイドロボールとは異なる特性を持つため、適切な管理が必要です。ハイドロボールと比較しつつ、季節ごとの管理と肥料の与え方を解説します。
年間の管理法
ベラボンは保水性が高い一方で、分解されやすく、定期的な交換やメンテナンスが必要です。季節ごとの管理ポイントを以下に示します。
春(3月~5月)
- 環境: 気温が上昇し、植物の成長が活発になる。直射日光を避け、明るい間接光(窓辺やレースカーテン越し)が適している。通気性の良い場所を選ぶ。
- 水やり: ベラボンの表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与える。週1~2回が目安。ベラボンは保水力が高いため、過湿に注意。
- その他: 新芽が出る時期なので、葉の状態をチェック。ベラボンの表面にカビや異臭があれば、通気性を改善し、表面を軽くほぐす。必要なら一部交換。
夏(6月~8月)
- 環境: 高温多湿に注意。直射日光やエアコンの風を避け、風通しの良い場所に置く。湿度が60%以上になる場合は、サーキュレーターで空気を動かす。
- 水やり: 気温が高いため、ベラボンが乾きやすい。週2~3回、表面が乾いたらたっぷり水を与える。ただし、鉢底に水が溜まらないよう、排水を確保。
- その他: 葉水(霧吹き)を週2~3回行い、乾燥や害虫を予防。ベラボンが分解して細かくなってきたら、表面を軽く取り除き、新しいベラボンを補充。
秋(9月~11月)
- 環境: 涼しくなり、成長が緩やかになる。光量が減るため、明るい場所を確保。室内温度は15℃以上を維持。
- 水やり: 植物の吸水が減るため、週1回程度に減らす。ベラボンが乾いてから水を与え、過湿を防ぐ。鉢底の水は必ず捨てる。
- その他: ベラボンの状態を確認し、分解が進んでいる場合は植え替えを検討。葉の黄変や落葉があれば、根の状態をチェック。
冬(12月~2月)
- 環境: 低温と乾燥に注意。10℃以下にならない暖かい場所に置き、加湿器や葉水で湿度を保つ。窓辺の冷気は避ける。
- 水やり: 植物の活動が鈍るため、10日~2週間に1回程度。ベラボンが完全に乾いてから少量の水を与える。過湿は根腐れの原因になる。
- その他: ベラボンのカビや異臭に注意。通気性を保ち、必要なら表面を軽くほぐす。分解が進んでいる場合は春に植え替えを計画。
肥料の与え方
ベラボンは栄養を持たないため、定期的な肥料補給が必要です。ハイドロボールと異なり、ベラボンは有機素材で分解が進むため、肥料の管理と培地の状態を同時に考慮します。
肥料の種類
- 液体肥料: 観葉植物用の液体肥料(例:ハイポネックス、N-P-Kバランス5-10-5や10-10-10)が推奨。ベラボンは水を保持しやすいので、液体肥料が浸透しやすい。
- 緩効性肥料: 粒状の緩効性肥料をベラボンの表面に少量置く方法も可。ただし、分解により肥料が流れ出しやすいため、少量ずつ慎重に。
- 有機肥料: ベラボン自体が有機素材なので、有機液肥も相性が良い。ただし、濃度に注意。
与える頻度とタイミング
- 春~夏(成長期): 2週間に1回、液体肥料を水で500~1000倍に希釈して与える。水やりの際に肥料を混ぜ、鉢全体に浸透させる。緩効性肥料は1~2か月に1回、少量を表面に。
- 秋~冬(休眠期): 肥料は基本的に不要。室内で暖かく、成長が続く場合のみ、1か月に1回、1000~2000倍に薄めた液体肥料を与える。緩効性肥料は使用しない。
肥料の与え方の注意点
- 濃度を守る: 濃すぎる肥料は根を傷め、ベラボンの分解を早める。必ず希釈率を守る。
- 水やりとのバランス: 肥料を与えた後は、1~2回は水だけで灌水し、余分な肥料分を洗い流す。これにより根への負担とベラボンの塩分蓄積を防ぐ。
- ベラボンの状態をチェック: 肥料の塩分や有機物の影響でベラボンが早く分解することがある。異臭やカビが生じた場合は、肥料を控え、植え替えを検討。
- 根の健康確認: 肥料を与える前に根の状態をチェック。ベラボンは根が見えにくいので、定期的に鉢から出して確認する。
その他の管理ポイント
- ベラボンのメンテナンス: ベラボンは1~2年で分解が進み、細かくなる。年に1回程度、分解したベラボンを取り除き、新しいものに交換する。植え替え時に根を整理。
- 根腐れ防止: ベラボンは保水性が高いため、過湿になりやすい。鉢底に水が溜まらないよう、排水穴のある鉢を使用し、余分な水は捨てる。
- 植物の種類に応じた調整: ポトスやモンステラなど水を好む植物は水やりを多めに、サンスベリアやガジュマルなど乾燥に強い植物は控えめに。
- カビ対策: ベラボンは湿気を保持するため、カビが生じやすい。通気性を確保し、表面を定期的にほぐす。カビが見られたら、影響を受けた部分を交換。
具体例(モンステラの場合)
- 春~夏: 週2回、ベラボンの表面が乾いたらたっぷり水やり。2週間に1回、液体肥料(1000倍希釈)を水に混ぜて与える。明るい間接光の場所に置き、葉水を週3回。
- 秋~冬: 水やりを10日に1回に減らし、肥料は1か月に1回(2000倍希釈)または停止。15℃以上の室内で管理し、葉水で湿度を保つ。ベラボンの分解が進んでいたら、春に植え替えを計画。
ハイドロボールとの違い
- 保水性: ベラボンはハイドロボールより保水力が高く、乾燥までの時間が長い。そのため、水やり頻度はハイドロボールより少なめで良い。
- 分解性: ハイドロボールは無機質で分解しないが、ベラボンは有機素材で1~2年で交換が必要。
- 肥料管理: ハイドロボールは肥料の塩分が蓄積しやすいが、ベラボンは分解により肥料が流れ出しやすい。どちらも濃度管理が重要。
- 清潔さ: ハイドロボールは洗浄・再利用が簡単だが、ベラボンはカビや分解に注意が必要。
注意点とトラブルシューティング
- 葉が黄変する: 過湿、肥料過多、または光不足が原因。ベラボンの湿り気を確認し、水やりを調整。光量を増やす。
- 根腐れ: ベラボンが常に濡れている場合に発生。鉢底の水を捨て、根をチェックして腐った部分を除去。植え替えを検討。
- カビや異臭: ベラボンの過湿や通気不足が原因。表面をほぐし、風通しを改善。分解が進んでいる場合は植え替え。
- ベラボンの劣化: 細かくなり、土のようになっている場合は交換時期。新しいベラボンに植え替える。
ベラボン栽培は軽量で見た目も自然で、観葉植物に適した培地ですが、過湿と分解に注意が必要です。植物の種類や環境に応じて水やりと肥料を調整し、定期的なメンテナンスを行うことで健康に育てられます。もし具体的な植物名や環境の詳細を教えていただければ、さらにカスタマイズしたアドバイスが可能です!
この記事が参考になりましたら、下の「参考になった」ボタンをお願いします。